会の活動
現在わが国の平均寿命は、男性78.32歳・女性85.23歳で世界最高です(厚労省『2002年簡易生命表』)。
かつて「人生50年」といわれ医療の目的は、救命長寿でありました。
ひとつしかない生命を、疾病よりいかに助け、いかに寿命を延ばすかという努力をしてきたわけです。感染症の克服が疾病構造を変化させる事により国民の寿命は急速に延び、平成27年には寝たきりの高齢者が230万人、認知症の高齢者が40万人、虚弱高齢者は260万人に増加すると予想されています。医療分野では、生命に対して量的に延長させることに成功しました。その上でさらに現在の医療の目的は、延長させた生命の質をいかにより快適なものにするかという問題に変化してきています。
そのような状況の中、クオリティー・オブ・ライフ(QOL)こそ現在医療従事者に求められているものであると同時に、医療消費者にとっては、地域の医療・福祉サービスの情報をより多く、的確に知ることが大切になってきました。介護保険をはじめとする種々さまざまなサービスや国の施策は、介護などを家族に任せておくのではなく、社会全体で支えあうことが基本とされています。
以上のことから、国民の健康や介護に対する意識を大きく変化させ、健やかに生活し、健やかに老いる社会の実現が、今求められています。個人の力と社会の健康資源の力を合わせて、一人一人の健康を実現することを理念とし、病気・障害による社会の負担を減らしつつ、国民の健康長寿を求め、活力ある社会にすることで、個人の質を高め、稔りある豊かな生涯作りを目的としなければなりません。
その過程で、QOLを考える会は種々の活動を通して上記の実現のために寄与することを目的と致します。 将来的には主に在宅マッサージを含む在宅医療におけるひとつの包括的なコミュニティーを形成していくのが目的です。